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選考員

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写真評論家

飯沢耕太郎

4回目を迎えたふげん社写真賞。
さらなる成長を期待できる時期にさしかかりつつある。


今回もどんな作品が登場するのかが楽しみだ。とにかく、自分にとって一番大事なことを、形にしてほしい。


大きく変わりつつある世界を、全身で受けとめた写真を見てみたい。

PROFILE

写真評論家。きのこ文学研究家。1954年、宮城県生まれ。1977年、日本大学芸術学部写真学科卒業。1984年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。主な著書に『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書1996)、『デジグラフィ』(中央公論新社 2004)、『きのこ文学大全』(平凡社新書 2008)、『写真的思考』(河出ブックス 2009)、『キーワードで読む現代日本写真』(フィルムアート社 2017)、『完璧な小さな恋人』(ふげん社 2022)、『トリロジー 冬/夏/春』(港の人 2024)などがある。

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造本家

町口 覚

昨今、あいつが終息したしないにかかわらず仕事場に篭りがちなぼくにも、外界がザワっとギャ〜していることに気づかされています。そんな外界ではいったいどれだけの量の写真が撮られているのでしょうか。それはきっと、ニエプスさんにはじまって以来の写真がもっとも大量に撮られているのではないでしょうか。
ある写真家は、写真には量のない質はないと言っています。その言葉を鵜呑みにすると、今年はとんでもない質の写真が大漁ということか?
そんな時代のみなさまの写真に出会えることを心から楽しみにしています!

PROFILE

1971年東京都生まれ。デザイン事務所「マッチアンドカンパニー」主宰。日本を代表する写真家たちの写真集の造本設計、映画・演劇・展覧会のグラフィックデザイン、文芸作品の装幀など幅広く手掛ける。2005年、自ら写真集を出版・流通させることに挑戦するため、写真集レーベル「M」を立ち上げると同時に、写真集販売会社「bookshop M」を設立。2008年から世界最大級の写真フェア「PARIS PHOTO」に出展、世界を視野に日本の写真集の可能性を追求し続けている。造本装幀コンクール経済産業大臣賞、東京TDC賞など国内外の受賞多数。

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ふげん社 代表
渡辺 薫

つまり「何ものにも捉われない柔軟さ、自由さ」だと思います。そして、そこから発生する挑戦の精神と実験の精神、その上、それらの精神が、結構大変だったであろうあの時代としては、考えられないくらい大らかな表現として存在していることの驚きですね。対象や方法がさまざまに変わったところで、またそれなりの苦悩や苦闘があったとしても、一本、太くて確かで強靭な、そしてすごく澄んでいる線がありますね。そして、最後に一番ぼくが共鳴でき尊敬するところは、仲治の自信に裏打ちされた素直さ、単純さです。
(『déjà vu』第12号収録「仲治へのシンパシー」より)


 安井仲治の魅力を語った森山大道さんの言葉です。
この春東京ステーションギャラリーで開催された展示をご覧になった人は多いと思います。その質、量、幅に圧倒される作家に出会うことは稀ですが、これは写真に限らず全ての表現者に対する最上の賛辞であると思います。
一世紀の時を超えて、第二の仲治に会いたい。この春私は強く思いました。

PROFILE

1955年、北海道札幌市生まれ。

1978年、昭和女子大学日本文学科卒業。同大学に勤務(〜1983)の傍ら、同大学大学院日本文学研究科修了(1981)。

1983年、渡辺美術印刷株式会社(本社さいたま市桜区)入社。

1994年、同社代表取締役に就任。

2014年11月、築地にギャラリー、書店、美術出版の機能を持つ、コミュニケーションギャラリーふげん社を設立。

2020年2月、下目黒に移転。同年、渡辺美術印刷創業70周年記念事業として、ふげん社写真賞を創設。

同記念事業として、2022年1月、雑誌「写真(Sha Shin)」を創刊。

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