このたび、2023年7月6日(木)から7月30日(日)まで、コミュニケーションギャラリーふげん社では、第二回ふげん社写真賞グランプリ受賞者・川口翼の写真集刊行記念の個展を開催します。
1999年静岡県生まれの川口翼は、2021年に東京ビジュアルアーツを卒業後、2022年に第二回ふげん社写真賞グランプリを受賞しました。現在は、製本会社に勤めながら、東京で作家活動をしています。
本シリーズには、川口が、色調がマゼンタ調に傾く壊れたカメラと出会ったことをきっかけに、懐古する夏として故郷を撮影した「あの夏」と、現在と未来を意識して新しいカメラでカラーで撮影した「この夏」という、異なる時制の夏が混在しています。夏になるとあちこちに出現する「記憶の飛び地」を捉えた、蝉、雑木林、ひまわり、砂浜、虫取り網と川べり、校庭、家族などを被写体にした写真は、自由な時間軸の中で、私たちの集合的記憶と共振していきます。
写真は何かを表現するための手段ではなく「写真は写真として始まり、写真に化け、何事も語らぬまま一切の形容を拒否し続け、写真として終わって欲しい」と、その純度にこだわる川口は、自らの第一写真集を心臓と名づけました。その作家の思いを具現化した、町口覚氏による造本は、本体には写真のみが収録され、テキストはカバーに印刷されます。さらに、本体とカバーの間にエアーが入り、ポンプのように脈打つ構造になっています。
写真の力を信じて進む作家がこの世に差し出した写真集『心臓』が、誰かの無意識部へと到達し、伝播することを願います。
会期中には、「ふげん社写真賞」の選考員を務める、写真評論家の飯沢耕太郎氏と、同じく同選考員をつとめ、川口の写真集の造本設計を務めた、造本家の町口覚氏をお招きして、ギャラリートークを開催いたします。
■開催概要
第二回ふげん社写真賞グランプリ受賞記念
川口翼 写真展「心臓」
2023年7月6日(木) 〜7月30日(日)
火〜金 12:00〜19:00
土・日 12:00〜18:00
ナイトギャラリー 7月7日(金)12:00〜20:00
休廊:月曜日
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
〒153-0064 東京都目黒区下目黒5-3-12
TEL:03-6264-3665 MAIL:info@fugensha.jp
■イベント
ギャラリートーク 川口翼×飯沢耕太郎(写真評論家)×町口覚(造本家)
日時:7月15日(土)14:00〜15:30
会場:コミュニケーションギャラリーふげん社
参加費:1000円(会場観覧・オンライン配信)
チケット販売▶︎ https://fugensha-shop.stores.jp/
※アーカイブ視聴可能期間は 2023年8月20日(日)まで
■写真集について
熱を帯びたこのあたりが
⽕照る肌さながら⾚くなる
蝉が鳴き
思い出し忘れていく、その光景
写真のままで
どうしようもなく
ざわめくここが
⼼臓だった
夏の⽇
(作家テキストより)
川口 翼 『心臓』 (英題:Breathless)
2023年6月30日発行
写真・テキスト:川口 翼
造本設計:町口 覚
デザイン:清水紗良(MATCH and Company Co., Ltd.)
編集:関根 史
翻訳:ジョン・サイパル
発行人:渡辺 薫
発行所:ふげん社
印刷:渡辺美術印刷株式会社
サイン入り
通常版:¥6,820(税込)
プリント付き限定版:¥20,000(税込)
ISBN 978-4-908955-22-8
■プロフィール
川口 翼 Tsubasa Kawaguchi
1999年 静岡県生まれ
2021年 専門学校東京ビジュアルアーツ写真学科卒業
2021年 個展「THE NEGATIVE」TOTEM POLE PHOTO GALLERY
2021年 第1回ふげん社写真賞ノミネート
2022年 第2回ふげん社写真賞グランプリ
2022年 個展「夏の終わりの日/ The last day of summer」コミュニケーションギャラリーふげん社
2022年 清里フォトアートミュージアム作品収蔵
2022年 グループ展「清里ヤングポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム
2023年 グループ展「ヤングポートフォリオサテライト展」Place M
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