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第三回 ふげん社写真賞 グランプリ受賞作品
浦部裕紀「Dry Blue」
茨城から岩手にかけての海岸沿いを主に撮影した。
かつて起きた津波によって大きな被害を受けた地域だ。
あの時の衝撃は、もううまく思い出せない。
受け止めきれないまま、忘れてしまった。
何度現地に足を運んでみても、それは変わらなかった。
だが、この居心地の悪い落差をきっかけに過去の記憶が不明瞭なまま頭の中で沸きたつことが時折あった。
うまく思い出すことができない過去の衝撃と、いま目の前にある現実が干渉し合う。
その様子は時々モアレのような現象を生む、新たな波打ち際のようだった。




浦部裕紀 Hiroki Urabe
1985年東京都生まれ
早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了
以降フリーターや無職を経て現在はカメラマン
第11回写真「1_WALL」ファイナリスト
第13回写真「1_WALL」ファイナリスト
準グランプリ
中村千鶴子「冬のスケッチ」

©︎Chizuko Nakamura
第三回ノミネート作品
伊藤トオル「瀧を描く」
浦部裕紀「Dry Blue」
Carl K. Svendsen「神々のマスク」
榊原祐輔「Back to home」
中村千鶴子「冬のスケッチ」
馬場さおり「火花」
藤原香織「空白を埋める」
付超「ヤードセール」
堀由紀江「孤独な旅」
宮地祥平「New Portraits」
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